地名を歩く

日本、特に埼玉県の地名等について書いています。

二瀬

埼玉県所沢市松ヶ丘の八国山沿いにある電柱の東電プレートには「二瀬」というものが見えます。この地名はどこから来たのだろうと気になっていますが、どうやら命名基準などは伺っても教えてくれないようなので色々調べてみました。

 

何はともあれ、こういう時はまずはGoogle検索で調べます。

まず、Google Mapで近くに「二瀬」が入る地名などがないか調べました。すると近くに「二瀬橋」という橋と交差点

www.google.com

そして、柳瀬川の別名、もしくは前川と北川の合流した川として「二瀬川」と呼ぶことがあるようです。

https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/tanoshimi/shizen/sanpo/kawa-map.files/25.4.24kawa-map.pdf

恐らくこれが、「二瀬」の由来でしょうが柳瀬川の近くにあるのではなくこのあたりにあります。では何故このあたりだけなのでしょう。『新編武蔵風土記稿』を見てみました。

久米村の部分から抜粋です:

 柳瀬川 西ノ方荒幡村ヨリ入野口村ノ方ヨリ来ル小流ト二瀬合テ流ルヽ故土人二瀬川トモ呼フ

『新編武蔵風土記稿』より抜粋、旧字体新字体へ変換

 ここでは、柳瀬川の別名として二瀬川が紹介されています。更に、久米村以外での柳瀬川の部分を見てみました。

 すると柳瀬川の別名としての二瀬川は出てきませんでした。ただし、久米川村には二瀬川という川の名前がありました。

まとめると私の調べた範囲ですが、柳瀬川の別名として二瀬川を出しているのは久米村だけでした。とすると、所沢市松が丘は元々は所沢市大字久米であったので、これが由来の可能性があります。

以上のことを箇条書きにまとめると次の様になります。

  • 二瀬の近くには「二瀬川」や「二瀬橋」など「二瀬」の付く地名がある。
  • 『新編武蔵風土記稿』では柳瀬川の別名として二瀬川があるのは、私の調べた限り、久米村だけ。

つまり、柳瀬川の別名である二瀬川が由来の可能性があるようですね。しかし、実際にはどうか分かりません。ですが、勝手に東電プレートを眺めて由来を考えたりするのは楽しかったので機会があったらまたやろうと思います。

参考文献

『新編武蔵風土記稿』

dl.ndl.go.jp

dl.ndl.go.jp

「東村山川マップ」『歴史館だより第30号』

https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/tanoshimi/shizen/sanpo/kawa-map.files/25.4.24kawa-map.pdf