地名を歩く

日本、特に埼玉県の地名等について書いています。

「勝楽寺村勝楽寺」『武蔵野話』に着色する

I.始めに
前回の記事でほんの少しだけ紹介した所沢市大字勝楽寺(旧入間郡勝楽寺村)ですが、実は狭山湖の造成によってその多くは見えなくなってしまっています。いくつか写真は本などで見ることも出来ますが、やはり絵もいくつか残っています。その内の一つに『武蔵野話』の「勝楽寺村勝楽寺」があります。しかしながら、勿論着色はされていません。なので、私がその当時を想像しながらその絵
に着色しようと思う。

では早速その絵を見てみる(下図)。

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「勝楽寺村勝楽寺」『武蔵野話』より作成

II.実験方法
今回の実験で行う着色について、色の推測は『迅速測図』、現在の大字勝楽寺の様子、大字山口に移された仏蔵院勝楽寺、などを参考にする。着色方法は色鉛筆を用いる。また、コロナウィルス予防の為現地には直接赴かず全てGoogle earthを用いて行うことにする。

III.色の推測
まずは、この絵が一体どの辺りかどの方角を描いたものなのかについてである。勝楽寺が描かれているのでまずはそれが大きなヒントと言えよう。なので、まず勝楽寺の位置を確認する。「勝楽寺の里」『東大和の歴史』を確認し、その後、農研機構農業環境変動研究センターから確認すると確かにそこに寺院のマークがある。

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出典:農研機構農業環境変動研究センター

恐らくこの辺りだろう。方角はさほど難しくなく、「勝楽寺村勝楽寺」の絵の奥側に山が見え手前側に水田の様なものがあるので、恐らく南東側(画像左下側)からの景色だろう。
次に後ろ側の山の色であるが、現在も画像の付近には雑木林が存在しているので、その色を参考にすることにする(Google Earth)。また、描かれている勝楽寺についても現在大字山口にある仏蔵院勝楽寺の色を参考にした。その他は適当に仮定し、着色する。
IV.結果

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着色したもの

良い景色です。

V.参考文献
農研機構農業環境変動研究センター。
habs.dc.affrc.go.jp


斎藤鶴磯、1815、『武蔵野話』。
dl.ndl.go.jp


安島、2019、「勝楽寺の里」『東大和の歴史』、https://higashiyamato.net/higashiyamatonorekishi/2019/08/19/syourakujinosato/
higashiyamato.net